ひとことで
相手の幸せを願い、苦しみを和らげようとする心。
相手に喜びをもたらそうとする『慈』と、苦しみを取り除こうとする『悲』を合わせたことばです。
暮らしの中で考える
元気のない人と、向き合うとき。
大切な人が落ち込んでいると、すぐに励ましたくなることがあります。けれども、何が起きたのかを聞かないまま『大丈夫』と言うと、気持ちが届かないこともあります。
まず話に耳を傾け、今、何が助けになるかを一緒に考えてみる。答えを出すだけでなく、相手が安心して話せる時間をつくることも、思いやりを形にする一つの方法です。
例えば「話を聞くことと、用事を手伝うことなら、今どちらが助かる?」と尋ねます。善意を押しつけず、相手の必要を確かめるための例文です。
ここでは、ことばを暮らしに結びつける一例として紹介します。
仏教での意味と背景
仏教では、慈悲は他者の喜びと苦しみに関わる基本的な姿勢として大切にされてきました。『慈』と『悲』は、どちらも思いやりに関わりながら、向けられる側面が異なります。
相手をかわいそうだと一方的に決めることより、実際に何を必要としているかに目を向けることが、暮らしに結びつける手がかりになります。
幸せを願う
喜びをもたらそうとする心。
苦しみに寄り添う
苦しみを取り除こうとする心。
誤解しやすいところ
自分を犠牲にし続けることではありません。
相手を思うことと、何でも引き受けることは同じではありません。相手の望みを確かめながら、自分にできる範囲を考えることも大切です。助けられない場面があっても、それだけで思いやりがないと決める必要はありません。
今日、考えてみること
最近、誰かのためにできた小さなことはありますか。
答えを急がず、思い浮かべてみてください。心理学ことば辞典で読む
他者の経験を理解する働きと、苦しみを除こうとする教えを読み比べます。
